
Pythonの集合と辞書で使える演算子とは?【初心者向けガイド】
Pythonで集合(Set)や辞書(Dictionary)を操作するための演算子について、初心者にもわかりやすく解説します。コード例と出力結果付きで、具体的な使い方をマスターしましょう。
1. 集合(Set)とは?重複なし要素のコレクション
集合は、重複する要素を持たない、順序付けられていない要素のコレクションです。波括弧 {}
で囲んで定義します。集合は変更可能です(mutable)。
- 例:
※集合は順序を持たないため、出力順は定義時の順序と異なる場合があります。{'c', 'b', 'd', 'e', 'a'}
出力:
2. Frozen集合とは?不変な集合
Frozen集合は、集合の不変な形式です。集合の集合を生成する際に役立ちます。
-
key in s
: 指定されたキーが集合に含まれているかどうかをチェックします。 -
key not in s
: 指定されたキーが集合に含まれていない場合に True を返します。 -
例:
出力:
True False
3. 集合の比較演算子(==, !=)
-
s1 == s2
: s1 と s2 が同値かどうかをチェックします。つまり、s1 のすべての要素が s2 に含まれ、かつ s2 のすべての要素が s1 に含まれる場合に True を返します。 -
s1 != s2
: s1 と s2 が同値でないかどうかをチェックします。少なくとも1つの要素が s1 に含まれていない場合にTrueを返します。 -
例:
出力:
True False
4. 集合の関係演算子(<=, <, >=, >)
集合の大小比較は、辞書式順序ではなく、部分集合、上位集合の関係に基づきます。
-
s1 <= s2
: s1 が s2 の部分集合かどうか(s1 の要素がすべて s2 に含まれるか)をチェックします。 -
s1 < s2
: s1 が s2 の真部分集合かどうか(s1 の要素がすべて s2 に含まれ、かつ s2 の要素がすべて s1 に含まれないか)をチェックします。 -
s1 >= s2
: s1 が s2 の上位集合かどうか(s2 の要素がすべて s1 に含まれるか)をチェックします。 -
s1 > s2
: s1 が s2 の真上位集合かどうか(s2 の要素がすべて s1 に含まれ、かつ s1 の要素がすべて s2 に含まれないか)をチェックします。 -
例:
出力:
False False True True
5. 集合の論理演算子(|, &, -, ^)
-
s1 | s2
: s1 と s2 の和集合を返します(両方の集合のすべての要素、重複は除く)。 -
s1 & s2
: s1 と s2 の積集合を返します(両方の集合に共通する要素)。 -
s1 - s2
: s1 と s2 の差集合を返します(s1 に含まれ、s2 に含まれない要素)。 -
s1 ^ s2
: s1 と s2 の対称差を返します(s1 または s2 のどちらか一方にのみ含まれる要素)。 -
例:
出力:
{2, 3, 5, 'a', 7, 8, 9, 11, 'd', 'c'} {8, 'c', 3, 7} {2, 5, 9, 'd', 11, 'a'} {2, 5, 'a'}
6. 辞書(Dictionary)とは?キーと値のペア
辞書は、キーとそれに関連付けられた値のマッピングです。波括弧 {}
を使用して作成します。
-
例:
出力:
{'jupiter': 'planet', 'sun': 'star'}
7. 辞書の演算子
-
d[key]
: キーに関連付けられた値を取得します。 -
d[key] = value
: キーに関連付けられた値を設定またはリセットします。 -
del d[key]
: キーとその関連付けられた値を削除します。 -
例:
出力:
65 {'math': 45, 'english': 80, 'science': 65, 'computer science': 70} {'english': 80, 'science': 65, 'computer science': 70}
8. 辞書の包含演算子
-
key in d
: 指定されたキーが辞書に含まれているかどうかをチェックします(包含チェック)。 -
key not in d
: 指定されたキーが辞書に含まれていない場合に True を返します(非包含チェック)。 -
例:
出力:
True True
9. 辞書の比較演算子(==, !=)
-
d1 == d2
: 2つの辞書のキーと値のペアがすべて同じ場合に True を返します。 -
d1 != d2
: 2つの辞書のキーと値のペアが少なくとも1つ異なる場合に True を返します。 -
例:
出力:
True False
まとめ:Pythonの集合と辞書を使いこなそう!
この記事では、Pythonの集合と辞書で使用できる様々な演算子について解説しました。これらの演算子を理解することで、データ操作や条件判定をより効率的に行えるようになります。ぜひ、実際のコードで試して、理解を深めてください。