C/C++ memcpy() 関数で安全なメモリコピーを実現

C/C++ でメモリを効率的にコピーする方法をお探しですか？ memcpy() 関数は、メモリブロックをある場所から別の場所へコピーする強力なツールです。この記事では、memcpy() の基本、構文、使用例、および重要な注意点について詳しく解説します。安全で効率的なメモリ操作のために、ぜひ memcpy() をマスターしましょう。

memcpy() 関数とは？

memcpy() 関数は、指定されたバイト数をメモリのある場所から別の場所へコピーします。データの型に関係なく、バイト単位でコピーを行います。

memcpy() の構文

void *memcpy(void *to, const void *from, size_t numBytes);

to: コピー先のメモリ位置へのポインタ。
from: コピー元のメモリ位置へのポインタ。
numBytes: コピーするバイト数。

戻り値は、コピー先のメモリ位置へのポインタです。

memcpy() の使用例

以下の C の例は、memcpy() の動作を示しています。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    char str1[] = "Geeks";
    char str2[] = "Quiz";

    printf("str1 before memcpy: %s\n", str1);

    // str2 の内容を str1 にコピー
    memcpy(str1, str2, sizeof(str2));

    printf("str1 after memcpy: %s\n", str1);

    return 0;
}

出力:

str1 before memcpy: Geeks
str1 after memcpy: Quiz

memcpy() の重要な注意点

memcpy() はオーバーフローや \0 をチェックしません。
コピー元とコピー先のメモリ領域が重複する場合、memcpy() の動作は未定義になります。

メモ: メモリ領域が重複する場合、memmove() 関数を使用してください。memmove() は重複するメモリ領域を安全に処理できます。

memcpy() と memmove() の比較分析

機能	memcpy()	memmove()
オーバーラップ処理	不可(未定義の動作)	可能(安全に処理)
安全性	低い(オーバーフローチェックなし)	状況に応じて高い
速度	一般的に速い	memcpy() よりやや遅い
用途	オーバーラップしないメモリ領域のコピー	オーバーラップの可能性のあるメモリ領域のコピー