ICEditで指示通りの画像編集をレベルアップ!大規模拡散トランスフォーマーが生み出す驚きの可能性
画像編集の未来がここに。ICEditは、大規模拡散トランスフォーマーを活用し、指示に基づいた画像編集を驚くほど効率的に実現する革新的な手法です。この記事では、ICEditの特徴、使い方、そしてその可能性について詳しく解説します。
ICEditとは?
ICEdit(In-Context Edit)は、大規模な拡散トランスフォーマーにおける文脈内生成を活用し、指示に基づいた画像編集を可能にする最先端の手法です。
- 革新的な効率性: 従来の最先端手法と比較して、わずか0.5%のトレーニングデータと1%のパラメータしか必要としません。
- 高精度な編集: 複数ターンの編集を高い精度で実行できます。
- 多様な編集結果: 視覚的に印象的なシングルターンの編集結果を生み出します。
ICEditを始める前に:環境構築と準備
ICEditを使うための最初のステップは、環境のセットアップです。以下の手順で環境を構築し、必要なファイルをダウンロードしましょう。
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Conda環境のセットアップ:
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学習済みモデルのダウンロード:
Hugging Faceに接続できる場合は不要ですが、難しい場合は以下のファイルをローカルにダウンロード。
- Flux.1-fill-dev
- ICEdit-MoE-LoRA
ICEditの使い方:bashでの推論実行
ターミナル (bash) からICEditを利用する方法を解説します。簡単なコマンドライン操作で、画像を編集できます。
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基本的な推論実行:
--image
: 編集したい画像のパスを指定します。--instruction
: 編集指示を記述します。--seed
: 乱数シード値を指定します (異なる結果を得たい場合に変更します)。
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メモリが少ない環境での実行:
GPUメモリが24GBしかない環境 (例: NVIDIA RTX3090) では、以下のオプションを追加します。
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ローカルにダウンロードした学習済みモデルの利用:
学習済みモデルをローカルにダウンロードした場合、以下のオプションを追加します。
ICEditの使い方:Gradioデモ
よりユーザーフレンドリーなインターフェースでICEditを試したい場合は、Gradioデモを使用できます。
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Gradioデモの起動:
--port
: デモで使用するポート番号を指定します。
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オプション設定: bashでの推論実行と同様に、必要に応じて
--enable-model-cpu-offload
や--flux-path
、--lora-path
オプションを追加できます。 -
ブラウザでアクセス:
表示されたリンクをブラウザで開き、画像を編集しましょう。
ICEdit利用時のヒント
ICEditをより効果的に利用するためのヒントをいくつかご紹介します。
- 再現性のためのシード値: 同じ指示でも、
--seed
パラメータを変更すると異なる結果が得られます。期待どおりの結果が得られない場合は、シード値を変更して再試行してみてください。 - 画像サイズ: ICEditは、幅512ピクセルの画像を処理できます (高さに制限はありません)。異なる幅の画像は自動的にリサイズされます。
- スタイルの変更について: 基本モデルであるFLUXは、さまざまなスタイルをネイティブにサポートしていません。そのため、スタイル転送を含むデータセットで学習されている関係上、意図せずアーティスティックなスタイルが変わってしまう場合があります。
- 対象画像: トレーニングデータセットは、主に現実的な画像を対象としています。アニメやぼやけた画像など、非現実的な画像の場合、編集の成功率が低下し、最終的な画質に影響を与える可能性があります。
- オブジェクトの削除: オブジェクトの追加、色の変更、スタイルの適用、背景の変更の成功率は高いですが、オブジェクトの削除はOmniEdit削除データセットの品質が低いため、比較的成功率が低くなっています。
商用モデルとの比較
ICEditは、GeminiやGPT-4oなどの商用モデルと比較して、どのような利点があるのでしょうか?
- 人物IDの保持: 商用モデルと同等、またはそれ以上の性能を発揮します。
- 指示の遵守: 高い精度で指示に従います。
- オープンソース: よりオープンな環境で利用できます。
- 低コスト: 商用モデルと比較して、運用コストを抑えることができます。
- 高速処理: 1枚の画像を約9秒で処理できます。
- パワフルな性能: 高いレベルの画像編集能力を備えています。
今後の展望
ICEditはまだ進化の途中です。今後の開発ロードマップには、以下の項目が含まれています。
- VLM(ビジョン言語モデル)による推論時のスケーリング: これにより、編集の精度と柔軟性が向上します。
- データセットの強化: より多様なデータセットでトレーニングすることで、対応できる画像の幅を広げます。
- スケールアップ: より大規模なモデルを開発し、性能を向上させます。
引用
もし、あなたの研究にICEditが役立つ場合は、以下のBibTeXエントリを引用してください。
@misc{zhang2025ICEdit,
title={In-Context Edit: Enabling Instructional Image Editing with In-Context Generation in Large Scale Diffusion Transformer},
author={Zechuan Zhang and Ji Xie and Yu Lu and Zongxin Yang and Yi Yang},
year={2025},
eprint={2504.20690},
archivePrefix={arXiv},
primaryClass={cs.CV},
url={https://arxiv.org/abs/2504.20690},
}
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