Vantage MCP Serverでクラウドコストを自然言語で分析:インストールと設定ガイド
Vantage MCP Server(Model Context Protocol Server)は、AIアシスタント(Claude、Cursorなど)を通じて、クラウドコストデータを自然言語で分析できるオープンソースのツールです。この記事では、Vantage MCP Serverの概要、利用可能なツール、インストール方法、そして主要なMCPクライアントとの連携について解説します。クラウドコスト分析をより直感的かつ効果的にしたい方におすすめです。
Vantage MCP Serverとは?
Vantage MCP Serverは、VantageのAPIと連携し、自然言語でクラウドコストのクエリを実行できるGo言語で開発されたツールです。例えば、「先月のAWSコストレポートを表示して」「最もコストがかかっているタグの値は何?」といった質問をすることで、クラウドコストの分析が可能です。組織全体のクラウドコスト支出、コストタグ、プロバイダー連携などを把握したい場合に役立ちます。
注意点: 現在、Vantage MCP ServerはStandard Input/Output (stdio) Transportを使用したローカル実行サービスとしてのみ提供されています。
Vantage MCP Serverでできること:利用可能なツール
Vantage MCP Serverは、以下のツールをMCPクライアントに提供します。それぞれのツールを活用して、クラウドコストデータの詳細な分析が可能です。
- get-costs: 日付やVQL(Vantage Query Language)でコストを絞り込みます。特定の期間や条件に合致するコストを抽出したい場合に便利です。
- list-cost-reports: 利用可能なコストレポートを一覧表示します。どのレポートが存在するか全体像を把握できます。
- list-cost-integrations: コストデータを提供するプロバイダー連携(AWS、Azure、GCPなど)とそのアカウントを一覧表示します。利用可能な連携を確認します。
- list-tags: コストレポートのフィルタリングに使用できるタグを一覧表示します。どのタグを利用できるか確認します。
- list-tag-values: コストレポートのフィルタリングに使用できるタグの値を一覧表示します。タグの具体的な値を確認します。
- list-anomalies: コストレポートで検出された異常を一覧表示します。異常なコスト変動を特定し、改善の機会を見つけます。
- list-cost-providers: VQLクエリでコストを絞り込むために使用できるコストプロバイダーを一覧表示します。どのプロバイダーのデータをクエリできるか確認します。
Vantage MCP Serverのインストール:Homebrew または Source
Vantage MCP Serverのインストール方法は2通りあります。Homebrewを使用する方法と、ソースコードからビルドする方法です。
Homebrewを使用する場合:
ソースコードからビルドする場合:
-
リポジトリをクローンします。
-
サーバーをビルドし、実行権限を与えます。
注意: リポジトリから最新の変更を取得したら、
go build
を再度実行してサーバーを再構築してください。 -
MCPインスペクターを使ってデバッグします。
重要:Vantage APIトークンの準備
Vantage MCP Serverを使用する前に、Vantage APIトークン(ReadOnly)が必要です。Vantage APIドキュメント (Vantage APIドキュメントへのリンクを挿入)の指示に従って作成してください。セキュリティのため、MCP Server専用の新しいReadOnly APIトークンを作成することを推奨します。
MCPクライアントの設定:Claude、Cursor、Goose
Vantage MCP Serverを効果的に利用するには、MCPクライアントとの連携が不可欠です。以下に、主要なクライアントであるClaude for Desktop、Cursor、Gooseの設定方法を解説します。
Claude for Desktopの設定
- [Claude for Desktop](Claude for Desktopのダウンロードリンク)をダウンロードします。
- Claude for Desktopを起動し、
Claude > Settings
を開きます。 - 左メニューから
Developer
を選択し、Edit Config
をクリックします。設定ファイル(claude_desktop_config.json
)が作成されます。 - 設定ファイルを編集し、
<path_to_compiled_vantage_mcp_server_binary>
をVantage MCP Serverのバイナリファイルの場所に、<personal_vantage_api_token>
をVantage APIトークンに置き換えます。 - 設定ファイルを保存し、Claudeを再起動します。
- Claudeの入力ボックスの右下にあるハンマーアイコンをクリックすると、Vantage MCP Serverのツールが表示されます。
Cursorの設定
- Cursorをダウンロードします。
- Cursorを起動し、
Cursor > Settings > Cursor Settings
を開きます。 - 左ペインから
MCP
を選択し、Add new global MCP Server
をクリックします。 - 開かれた
mcp.json
ファイルを編集し、<path_to_compiled_vantage_mcp_server_binary>
と<personal_vantage_api_token>
を適切な値に置き換えます。
Gooseの設定
- Gooseをダウンロードします。
- Gooseを起動し、
Goose > Settings
を開きます。 Extensions
セクションで、Add custom extension
をクリックします。- 以下の値を入力します:
- ID:
vantage-mcp-server
- Name:
Vantage
- Description:
Query costs and usage data
- Command: Vantage MCP Serverのバイナリファイルのパス
- ID:
Environment Variables
セクションで、VANTAGE_BEARER_TOKEN
という名前で、Vantage APIトークンを値として持つ変数を追加します。Add
をクリックします。
MacOSユーザー向けの注意点
Githubからリリース版をダウンロードした場合、「開発元を検証できないため、"vantage-mcp-server-macos" を開けません。」というエラーが表示されることがあります。この場合は、システム環境設定の「プライバシーとセキュリティ」を開き、下部にあるメッセージの横にある「許可」ボタンをクリックしてください。
まとめ:クラウドコスト分析をレベルアップ
Vantage MCP ServerはAIを活用してクラウドコスト分析を効率化する強力なツールです。この記事で紹介した手順に従ってインストールと設定を行い、Claude、Cursor、GooseなどのMCPクライアントと連携させることで、クラウドコストの可視化と最適化を加速させましょう。自然言語でのクエリを活用し、更なるコスト削減とビジネス成長を実現してください。