TypeScriptをGoでネイティブに実行？ microsoft/typescript-go プロジェクト徹底解説

TypeScript のネイティブ移植？ 一体どういうことなのでしょうか？ Microsoft が開発を進めている microsoft/typescript-go プロジェクトについて、その概要、目的、そして現状を詳しく解説します。この記事を読めば、TypeScript と Go、それぞれの開発者がこのプロジェクトに何を期待できるのかが明確になるでしょう。

なぜ TypeScript を Go で実装するのか？

TypeScript は、JavaScript に静的型付けを加えた言語で、大規模なJavaScriptアプリケーション開発を手助けします。 Go は、Google によって開発された、シンプルで効率的なコンパイル型言語です。

microsoft/typescript-goプロジェクトは、TypeScriptをGoでネイティブに実行することを目指しています。これは、パフォーマンスの向上や、Go 環境での TypeScript 実行を可能にするなど、多くのメリットにつながる可能性があります。

microsoft/typescript-go プロジェクトとは？

microsoft/typescript-go は、TypeScript のネイティブポートの開発を行うためのステージングリポジトリです。つまり、TypeScript コンパイラを Go 言語で書き直すことを目的としています。13.8kものスターを集めている注目度の高いプロジェクトです。

• TypeScript のネイティブ実装: Go で書かれた TypeScript コンパイラを提供
• パフォーマンス: Go の特性を活かした高速なコンパイル
• Go 環境との統合： Go 製のツールやサービスとの連携を容易に

プロジェクトの現状：どこまでできているのか？

このプロジェクトはまだ開発段階であり、完全な機能は実装されていません。 しかし、重要な部分については進捗が見られます。 現在のステータスは以下の通りです。

• プログラムの作成: lib、target、reference、import等の読み込み完了。
• 解析/スキャン: ソーステキストの読み込みと構文解析完了。
• コマンドライン/tsconfig.json 解析: 概ね完了。
• 型解決: 具象的な内部表現への型解決完了。
• 型チェック: 関数、クラス、ステートメントの問題チェック完了。
• JavaScript固有の推論/JSDoc: 未対応
• JSX: 未対応
• 宣言ファイル出力: 未対応
• コード生成 (JS出力): 開発中。
• ウォッチモード: プロトタイプ。
• ビルドモード/プロジェクト参照: 未対応
• インクリメンタルビルド: 未対応
• 言語サービス (LSP): プロトタイプ。
• API: 未対応

開発に参加するには？

このプロジェクトはオープンソースであり、誰でも貢献できます。 開発に興味がある方は、以下の手順で参加できます。

1. リポジトリをクローン:

   git clone --recurse-submodules https://github.com/microsoft/typescript-go.git
   

2. サブモジュールを初期化:

    git submodule update --init --recursive
   

3. 必要なツールをインストール:

   npm ci
   

4. ビルド、テスト、lint、フォーマット:

   hereby build
   hereby test
   hereby lint
   hereby format
   

Go の基本的なツール (go build, go test ./...) も利用可能です。

今後の展望：TypeScript の未来を変える？

microsoft/typescript-go プロジェクトは、TypeScript の進化に大きな影響を与える可能性を秘めています。 特に、パフォーマンスの向上は、大規模な TypeScript プロジェクトの開発効率を大きく改善するでしょう。 このプロジェクトの今後の動向に注目が集まります。

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